小児や乳児と妊婦の心肺蘇生の方法とAEDの使い方

救える命を救いたいと思い、私の住んでいる市の消防局が行っている『市民救命士講習』の普通救命コースⅠ3時間を受講してきました。
そこで学んだ、心肺蘇生のやり方とAEDの使い方の中で、小児や乳児と妊婦の心肺蘇生の方法とAEDの使い方についてご紹介したいと思います。

  

小児や乳児の心肺蘇生の方法

心肺蘇生の方法は、基本的には大人も子供も同じ方法になります。

大人の心肺蘇生を知りたい方は、こちらを参照下さい。
心肺蘇生で救える命を救いたい!市民救命士講習で手順を習う

大人の心肺蘇生と基本的に同じ部分というのは、

・胸骨圧迫 30回(1分間に100のテンポ)
・人工呼吸  2回

この2つをセットにして繰り返し行う。

小児や乳児の心肺蘇生が大人の場合と違う部分は、『胸骨圧迫の仕方と』『乳児の人工呼吸』が違います。

<小児の心肺蘇生>年齢は1歳以上~15歳ぐらいまで

○小児の胸骨圧迫は、片手(体の大きい子供の場合は両手でも良い)を使います。
・片手(もしくは両手)を胸の真ん中(中央)に当てる。
・少なくとも胸の厚さの1/3まで沈む程度に圧迫します。

○小児の人工呼吸は大人と同じく、口対口(マウストゥーマウス)
・息の吹き込み時間は大人と同じで、1回の息の吹き込みは1秒かけて吹き込む。
・胸が軽く膨らむ程度

<乳児の心肺蘇生>年齢は1歳未満

○乳児の胸骨圧迫は、中指と薬指の2本を使います。
・中指と薬指の2本を胸の真ん中(中央)に当てる。
・少なくとも胸の厚さの1/3まで沈む程度に圧迫します。

○小児の人工呼吸は大人とは違い、口対口鼻で、吹き込む際は口と鼻を覆うようにします。
・息の吹き込み時間は大人と同じで、1回の息の吹き込みは1秒かけて吹き込む。
・胸が軽く膨らむ程度

※ともに、圧迫の速さは1分間に100のテンポで30回と人工呼吸2回が1セットで繰り返し行う。

1分間に100のテンポについては、こちらを参照下さい。
心肺蘇生で救える命を救いたい!市民救命士講習で手順を習う

妊婦の心肺蘇生の方法

妊婦20週以降の場合は、下大静脈と大動脈への圧迫を避けるために体の右側の体の下に何か置いて、体が左側を下にして右側が上がるように斜めにし左側臥位になるようにする。

心肺蘇生は、大人のやり方と同じであるが、妊婦の場合は手を当てる位置をやや頭側に置く。

心肺蘇生の手順は次の通りです。

<妊婦の心肺蘇生>

1. ・態勢を右側が上がるように斜めにし左側臥位にする

2.・呼吸の確認をします。目で胸と腹部の上下の動きを見て、10秒以内で調べる。
  ・鼻に手を当てたり、耳を近づけたりして息を確認する。
  ・首の脈、手首の脈など約10秒間確認して、「普段通りの呼吸」でなければ、呼吸がわからない場合は『呼吸なし』と判断する。

3. ・口の中に吐物などないか確認して、頭を後ろにそらせる感じに喉の気道を確保する。
  ・胸の真ん中よりやや頭側に、両手を重ねて肘を伸ばして、手首より上の手のひらの付け根部分を使い、胸骨圧迫をしていく。
  ・目安は胸が背中側に5cmほど沈むぐらい。
  ・1分間に100回の速いテンポで30回連続して圧迫する。

4. ・30回胸骨圧迫後、人工呼吸をする。
  ・喉の気道を確保、片手で額から鼻をつまみ、大きく息を吸って空気が漏れないように1秒かけて胸が軽く膨らむ程度の息を2回連続で吹き込む。
 ※・うまく息を吹き込めなくても人工呼吸は2回まで
 ※・口に嘔吐・出血・傷口などがあり感染などの危険が考えられる場合は、人工呼吸はせずに肋骨圧迫のみをします。

3と4を繰り返します。肋骨圧迫と人工呼吸の割合は30:2。数名で交代出来る場合は、1~2分程度を目安に交代します。
基本、救急車・救急隊が到着し、中断の指示があるまで続けます。

小児や乳児と妊婦へのAEDの使い方

小児や乳児のAEDの使い方は基本的には大人と同じでです。

小児(就学年齢以下・幼稚園児・保育園児・乳児)の場合は、小児用の電極パッドを用いる。小児用パッドの貼り付け位置は背中と胸の2箇所。

小学生以上(就学児)の場合は、大人用電極パッドを用いる。

電気ショックの電力量が変わってくる。小児用パッド50に対して大人用パッド150

※機種によっては、大人用と子供用が同じパッドもある。また、小児用がない場合は大人用を用いる。
大人用を用いる場合は、電極パッド同士が重ならないように貼り付ける。大人用パッドの貼り付け位置は、右肩胸寄りと左腰より少し上の腹寄りの2箇所。

妊婦のAEDの使い方は一般成人と同じ使い方が推奨されている。パッドの貼り付け位置や電力量も成人大人と同じ。

AEDの詳しい使い方は、こちらを参照下さい。
AEDで救える命を救いたい!市民救命士講習で手順を習う

さいごに

大人であっても子供であっても妊婦であっても、命が危険にさらされている緊急事態の時には、少しでも早い救命措置が求められます。

小児や乳児の心肺蘇生は体の大きさに合わせた力で、妊婦の場合は仰向けではなく左側臥位で。

共に1分間100のテンポを30回と人工呼吸2回を1セットで繰り返します。

どうか目の前の救える命を救えますように!救済訓練や講習などがあれば、是非参加してみて下さい。

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